Column.015 伊藤 章2
2周り目の伊藤です。時事ネタを一つ。 10月に衆議院総選挙がありましたが、皆さんは投票に行きましたか?今回は民進党が希望の党へ合流(結局、民進党は残ったけど)、そして小池さんの「排除します」発言からの、立憲民主党の立ち上げなど、なかなかドラマチックな展開がありました。 ただ、結果的には、与党が3分の2を確保し、「泰山鳴動して、鼠一匹」的な結末でした。
さて最近、政治を考える上でキーワードの一つとなっているのが「保守」と「リベラル」です。もっとも、これらは政治学の最も基本的なターム(用語)ですが、国によって「保守」と「リベラル」の使い方や指し示すものが違います。 政治や社会のあり方を考える上で、今回はこの「保守」と「リベラル」について考えます。1回で終わらない気がするので、その場合は2回に分けます。
2017年11月18日号の週刊ダイヤモンドでも「右派と左派」が特集されていました。右派≒保守、左派≒リベラルと考えてもらって大きくは違っていません。
まずは基本的な考え方について。
保守 ・昔ながらの伝統や習慣を大事にする立場(欧米ではキリスト今日の道徳観を重視する立場。当然、離婚や中絶、同性愛には反対。日本では夫婦別姓が一つのリトマス試験紙かも) ・市場原理を重視して政府の役割を制限しようとする「小さな政府」志向(構造改革、規制緩和、歳出削減)
リベラル ・昔ながらの価値観ではなく、普遍的な人権を重視する立場(マイノリティの権利保障に熱心) ・社会保障の充実や再分配の強化などを目指す「大きな政府」志向(高福祉・高負担の北欧を理想とする人が多い)
ものすごくザックリ言うと、社会に矛盾や課題があった時に、「微調整で何とかしよう」と考えるのが保守で、「制度や仕組みを大きく変えよう(革命じゃー)」というのがリベラルです。毎年運営指南書を大幅に改定しているIVUSAはきっとリベラルな組織なんでしょう(棒)。
もう少し丁寧に、国(公権力)は経済政策や政治・文化制度にどこまで介入するべきかで保守・リベラルを考えると以下のようになります。
これに政党をマッピングすると、保守が自民党・希望の党・日本維新の会で、リベラルが民進党・立憲民主党・社民党・共産党です(共産党はリベラルのもともとの理念である「自由主義」とは全く相いれないのですが、ややこしいのでスルー)。
ただ、自民党は積極的な財政政策や企業への賃上げの要請など、明らかにリベラル寄りの経済政策を取るようになっています(つまり上図の左下のゾーンへ移動)。その一方で、立憲民主党の枝野代表が「私は(私こそが)保守だ」と発言しており、なかなかカオスな感じになっています。
そして、日本特有の保守―リベラルの対立軸が一つあります。それが「憲法問題」なのですが、やっぱり量が多くなり過ぎたので次回に回します。
この辺り興味のある人は、SRTに参加してもらえると詳しく学べます。また12月15日の19時から宮坂事務所で勉強会もあるのでよかったら来てください。
お問い合わせは事務局・伊藤まで。aito@ivusa.net