Column.020 卒業旅行
第2回箭野の事務局コラムはこれで最終巻となる。
前回はラーメン二郎の話をし、今回もその続きをする予定であったが急遽予定を変更する運びとなった。期待していた読者にはお詫び申し上げる。(まあいないでしょw 因みに前回のコラムを掲載した後、21期・22期の先輩ジロリアンから励ましの連絡がきた)
今回は俗に言う“卒業旅行”について書きたいと思う。
私は1月中旬から2月初めまでロシア、ドイツ、エジプトの3カ国に行った。その中でも最も印象に残っている“ロシア”の旅行記を書きたいと思う。
私は海外旅行について“ド”がつくほどの素人であるのことはご承知願いたい。これが標準だと思っては絶対いけない!
そしてロシア人は英語が苦手である(田舎の人間は理解しようとしない)
就職活動を終え、大学を9月に卒業し、4月からの就職までの半年間何をして過ごそうか、どこに行こうか、せっかくなら今しかできないことしたいし、と考えていたら「シベリア鉄道横断」を思いついた。
シベリア鉄道:ロシアの首都モスクワと極東のウラジオストク9,289kmを7日間でつなぐ路線
ロシアはビザの取得が面倒だとかで一人旅が敬遠される国らしいがビザの取得は一発でできたし、シベリア鉄道のチケット予約も代理店を通さず出来た。
【入国】
ウラジオストク空港に到着した。閑散期なのであろうか駐機場にはジェット機が2機、プロペラ機が2機、軍の貨物輸送機が1機停まっているだけである。
飛行機から出る。息をすると肺が凍るような寒さだ。電光掲示板には-17℃と表示されている。
日中でこの気温?! あゝ先が思いやられる。
空港を出てウラジオストク駅に向かう。この時17時30分。列車の出発まで7時間ほどある。バスに乗り40分程で駅に着いた。
何といったって7日間の鉄道旅である。ある程度の食品は買い込んでいかねばならない。
駅の正面にスーパーがあるので入店する。水とカップラーメン(列車内にはサモワールといって湯沸かし器が設置されているからカップラーメンは必須なのだそうだ)、お菓子にビールを1缶購入した。しめて1,300ルーブル、日本円で2,600円ほどだった。車内は禁酒という噂を聞いていたので駅近くの人影がないところへ行きロシアンビールと嗜める。
非常に飲みやすい。ロシアだとウォッカの印象が強いが、最近は若者中心にビールがよく飲まれるらしい(後で知った話なのだがロシアでは屋外での飲酒はNGらしい)。
さてあとそれぐらいかと電光掲示板を見てみる。
ロシアはご存知の通り国土面積が一番広い国であり、東西に広がっているので時差区分が11区分もある。シベリア鉄道ではモスクワを基準時間としているので写真のように全てモスクワタイムが表示されている。これは結構混乱するから気をつけなければならない。
【いざ出発】
出発時間が近づき構内にアナウンスが流れるロシア語なのでもちろん意味はわからないが周囲の人が一斉に立ち上がったので一緒について行く。
チケットはネットで予約した際に出るEチケットを見るもののこれもロシア語なので自分が何号車なのかわからない。10とあるから多分10号車かな?と10×△@*と表示がある車両を見つけ、女性の車掌にチケットとパスポートを提示する。ロシア語で何か言われるが全く意味不明。「???」という表情をすると車掌は手招きして車内に入っていった。ついて行くと一つの寝台を指差した。ここがお前のシートだということだ。
さあ9,297km 7日間に及ぶシベリア鉄道横断の始まりだ
【車内】
4人が寝れるコンパートメントだがこの部屋にいるのは私1人。
私のシートは上段。同乗者に気を遣うストレスがないのはある意味救いだ。
出発時刻はウラジオストク時間24時(日本時間25時)に近かったので出発後1時間ほどで就寝した。
翌朝9時起床。起きるとあいていた3つのシート全て埋まっている。私の下と向かいの上段は迷彩のTシャツを着ている。軍人だろうか。彼らは英語が話せなかったのでこの日は1日一言も話さず過ごしてしまった。
翌日は若者2人が乗って来て、よくよく話を聞いてみると大学生と軍人だと言う。どちらも英語が話せるそうなのでそれ以降は彼らとの会話と彼らを使って食料の買い出しをした。
ロシア人は人懐っこいと聞いたことがあるがまさにそれである。ひたすら日本のことや私のことについて聞いて来る。それから好きな音楽をひたすら聞かせて来る…
そんなこんなで日数が過ぎっていくのだが車窓はひたすら雪景色だった。「不毛地帯」とはよく言ったものだと思う。
シベリア鉄道というと旅人が乗るイメージだったが実際は現地住民の足として機能しているようだった。始点から終点に乗る人はほとんどおらず、大体が夜乗り込んで来て翌朝には降りてしまう。なので、4人のコンパートメントでも乗客の回転はものすごく早いことには驚いた。
序盤は勝手がわからないからかものすごく慌ただしかったが中盤からはいろいろな物や風景を見ることができた。楽しみの一つだったバイカル湖は通過時間が深夜だったため見ることは叶わなかった。おそらく夏の便は日中に通過してくれるだろうからやはり夏がオススメなのかもしれない。
【モスクワ到着】
7日間という途方もなく長い道のりが終わった。
多くの出来事や気づきがあったが文字数の関係で全ては書けないのが残念だがこの旅はやはり時間を融通できる学生の時だからこそ出来ることなので、これを読んでいただいた学生には是非とも同じような旅をしていただきたい。
この後、モスクワで一泊し、ドイツ一泊、エジプト五泊で各地を回った。その時の写真も載せておく。
【赤の広場】
【ケルン大聖堂】
【アブシンベル神殿】
【ピラミッド】
以上、だいぶ端折ったところもあるが箭野の最後のコラムとしたい。
一年間お世話になりましたありがとうございます。