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Column.039 大坪 英里奈4

 こんにちは。  お久しぶりの大坪です。  事務局コラム、1回の締切あたりに何本か書いて次に備えるのですが、なぜかやっぱり書き溜めたやつでは納得がいかず、また書き直しています。  よって、フレッシュなのに特にフレッシュでないネタにてお送りします。  前回は岐阜県北部の地域・飛騨に関するマニアックな昔話や説を取り上げました。  今回も気持ちとしては神話や神様を取り上げたいところなのですが(例えば日本神話とローマ神話の共通点など)、あまりに連ねると危ないかな(私を見る目と私のテンションが)と思いましたので、別の話題としたいと思います。  私は大学では心理学専攻、その後産業カウンセラー資格取得、その他ちょいちょいアップデートはしているというちょっぴりカウンセラーなわけですが、何か読んでる人に役立ちそうな情報かなーと思うものについて紹介したいと思います。 ■メンタルヘルスってなんだろう  働き方改革の流れとともに、「ストレスチェック」が2015年に一定の規模の事業所で義務化されました。  ちょうど同時期に電通の過労死自殺があったこともあって、そこから一定期間はこうした話題が多かった記憶がありますね。  では、そもそもですが、おそらく学生の皆さんが就職した先でもあるであろう「ストレスチェック」とは何か。  また、社会一般において個人のメンタルはどのように考えられ、対処されているかをご存知でしょうか。 ▽基本的な対処  職場におけるメンタルヘルス推進は、職場の人が活き活きと働くことができるように(職場の生産性を担保するために)、早期対応するためのもの。  職場におけるメンタルヘルス推進の基本は、優先されるものから順に、下記のようになっています。  ①セルフケア  ②ラインケア  ③事業場内産業保険スタッフなどによるケア  ④事業場外ケア  つまり、自分でまず気づき対処する。次に上司が気づいて対処する。その上で、それでも対処できない場合、気づけなかった場合は当人と直接関係がある以外の人による対処対応がされる。  ストレスによるシグナルは、『何らかの変化』に出ます。  なんか最近やる気がでない  なんか最近授業に行けない  なんか最近line見たくない  その他、体調の変化など。  つまるところ、社会においても、「自ら、自らの変化に気づいて対処すること」「周りの人の変化に気づいて対処すること」が前提となっているのです。  ストレスチェックの目的は、この、状態がどう変化しているか。そもそものその人の「普通」はどんな状態かを定点観測するものでもあります。 ■セルフケアの基本  じゃあ、セルフケアってどうすればいいのでしょうか。 ▽ストレスの効用  なんとなーく、学生の皆さんの認識の中に『ストレスは悪。ストレスの根源となるものはもっと悪。ストレス死ね(-_-#)』というような意識的・無意識的な思い込みがある気もするので、まずはそこを微修正するところから入りましょう。  しんどいものはしんどいのでそりゃあ嫌なのですが、じゃあ、そもそも。  なぜ、「ストレス」なんてものがあるのか?  生き物の生理的現象にはだいたい理由がありますからね!  ではストレスは、というと、実は生きるために必要だから、あるのです。  ☛詳しくは『闘うか逃げるか反応』で調べてね  これまでの人生をふりかえってみても、「苦労をしたあとの方が学びが大きかった」とかいう覚え、ありませんか?  成長と言う変化だとわかりにくいかもしれませんが、ある種の「圧」があるからこそ、自分の学びも大きい!  ☛これについては代表ブログ「ストレスとプレッシャーの違い」にも書かれていますので一読を ▽でもしんどい。じゃあ、ストレスにどう対処できる?  ★ポイント:『ストレスにも前後関係がある』こと  ストレス=なんらかの変化によって辛い状態をもたらしたもの  という、一般的に使われている定義を元にしてちょっと考えてみましょう。  ストレスの発生プロセスを要素分解してみると、こんな感じになります。  【わたし(ストレスを受ける人・もの)】+【なんらかの変化をもたらすもの】⇒【変化したわたし】  変化したわたし、をつくってしまった【なんらかの変化をもたらすもの】が、一般にストレスと呼ばれていますね。  例を上げると  【Aさんを好きなわたし】+【Aさんに遭遇!!】⇒【緊張・焦り・頭回らない、ほか】  も、ストレス状態ですね!  ちなみに、医学・心理学領域では、  【Aさんに遭遇!!】…ストレッサー  【緊張・焦り・頭回らない、ほか】…ストレス反応  といいますが、一般的な表現だとストレッサーのことを「ストレス」と呼称するので、ここでは一般表現で扱います。  ここで覚えておいて欲しいのは、『ストレスにも前後関係がある』という構造です。  前後関係があるということは、その前後のどこかを主体的に変えることが、ストレスという問題への対処法に成り得るということ!  【数学が苦手なわたし】+【数学のテスト】⇒【白紙提出、結果絶望…】  という前後関係があるとしたら、何をどうにかしようとしますか?  【数学のテスト】をどうにかこうにかしようとしたら、、  ・テスト問題を教えてもらう  ・もしくは盗む  ・カンニングする  と、不道徳な感じの対処に。。  では、【数学が苦手な私】をどうにかしようとしたら?  勉強するっきゃないですね。  勉強するにしても、どのように計画を立てるか。どの単元を中心に勉強するか。どの問題形式を反復学習して解法を覚えるか。  など、やれることはたくさんあります。  こういうことはよくある気がします。  「ストレス」と呼んでいるものを直接やっつけるのはなかなか難しかったり、時間がかかることもしばしば。  なぜなら、「ストレス」と呼ばれるもの(ストレッサー)は外部要因だからかなと思います。  しんどいなーそんなとき。  「その状況を変えるために何ができるか」を、しんどい状況の分析から考えてみると、それだけでも楽になると思います◎ ▽『ストレスは悪。ストレスの根源となるものはもっと悪。ストレス死ね(-_-#)』の功罪  これも、いっこの解決法ではあります。  悪いのは自分じゃない!悪いのはあいつ!  的な。  自分ではどうにも対応できないときもありますから、そんなときはこういう逃避や正当化は悪くはありません。  ただ、気をつけて。  あまりに外部要因批判だけをすると、癖がついて、ストレスと闘えなくなってしまいます。実際にストレス無くすことはできないですしね。嵐が去るのを待つばかりで、ストレスが長引くなんてことにもなってしまうのがこの方法。  最後の砦に「ストレス死ね(-_-#)」があると知りながらも、別の解決法を選択することがおすすめです。 ■個人的に思うこと  動物は多くの場合、生きるために闘うか逃げるかして、状況を変えています。  人間は歴史的に、快適に生きるために環境を操作して来ました。  道具をつくり、自然を掌握し、組織をつくり。  セルフケアも同様ではないかなと。  ストレスという嵐が去るまで蹂躙されるくらいなら、  ストレスをどうにかしようとしてみる  ストレスをストレスと取らない自分になる  ストレスからの回復力を身につける  など、環境を操作できる自分になった方が良いと思うのです。  嫌なら変える。  これ大事。  ちなみに、一番変えやすいのは、自分の行動です。  さらに言えば、『自分の変化』に、自分は気づかないことも往々にしてあります。  だからこそ、仲間が気づいて声をかけてあげることも、とても大事ですね。  相互依存のためではなく、その人が生きていくために。  とはいえ、そうした自分なりの方法を身につけるには試行錯誤が必要で、試行錯誤には時間がかかるもの。  ちょっと頭に置いておくと役に立つような考え方も心理学的知見にはあったりするので、次は要望あれば、その辺を紹介しようかなと思います。


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