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社会で活躍しているIVUSAのOB・OGによるコラムです。
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Column.016 14期卒 塩谷 貴子

  • ivusa-office
  • 2018年7月10日
  • 読了時間: 4分

同僚の先生と学生たちと。誕生日を祝ってくれました。右下が私。

【プロフィール】

1984年兵庫県生まれ、神奈川県育ち。

法政大学社会学部(多摩キャンパス)卒業。

大学卒業後、IT企業に約8年勤務。在職中に日本語教師の資格を取得。

国際交流基金「日本語パートナーズ」派遣事業への参加を機に退職。

派遣終了後、再び渡泰。タイ生活4年目。タイの中高生に日本語を教える毎日。

【IVUSAとの出会い】

 出会いは大学の入学式のあとに渡されたチラシ。何がしたいか決められないまま受験生になり、幅広く学べそうな大学・学部をいくつか受験し、落ちたり受かったりして、嬉しいはずなのに素直に喜べない複雑な気持ちで参加した大学の入学式。何か新しいことを始めて、自分を変えたいと思っていました。興味のあったダイビングか、「海外」「ボランティア」「NPO」に惹かれたIVUSAの二択。ところが、ダイビングサークルは活動場所が営業後のプールで夜も遅く、自宅からも遠いことが分かり断念。

インド帰りに同期と集合写真。

 しかし、「これでIVUSAの一択!即入会!熱意で社会を動かす!」とはならず、1人で報告会へ行けば怪しげな人に声をかけられ、九十九里浜清掃に参加してみればノリが合わず、秋の学園祭に参加したと思えばバイトが楽しくなったり…と、結局1年の終わり頃まで消えたり現れたりの幽霊部員状態。2年になった頃から同じキャンパスに仲間が増えたことで居心地も良くなり、それから国内外いろいろな活動に参加するようになりました。

 今、振り返ると、IVUSAでの私は「うまく熱くなれない人」だったなと思います。学生役員やプロジェクトリーダーもさせてもらったし、活動の最後に涙したり感動で胸が熱くなったりしたけれど、語れるような武勇伝も無いし、IVUSAのことを好きか嫌いかと訊かれたら「どちらでもない」と答えるような冷めた学生でした。

【“こんな人もいる”と思えることの大切さ】

 私は今、タイでタイ人の中高生に日本語を教える仕事をしています。同僚の先生や生徒たちとともに楽しい毎日を過ごしていますが、タイに来て丸3年経った今でも「えぇ?!」「はぁ?」と思うことがよくあります。もちろん国が違えば習慣や常識が違うのは当然のことだし、タイ人だから日本人だから全員同じ考え方というわけでもありません。とはいえ、自分と合う人、合わない人、信じていたのに裏切られること、イラっとしたり傷ついたり、納得できないと感じること、いろいろあります。そんな中でも何とかやっていけているのは、IVUSAでいろいろな強烈なキャラの人たちに出会っていたからなのでは?と最近思っています。好き嫌いは別にして「こんな人もいるよね。自分とは違うけど!」と思える、自分とは違うルールで生きている人の存在を認められることはとても大事だなと。

【“何者でもない”から聞ける話】

 もう一つ、IVUSAに入ってよかったなと思うのは、“何者でもない”学生の時期に“IVUSAの学生”という肩書でいろいろなことをさせてもらった、ということです。よく「何者でもない学生の間に」というけれど、“IVUSAの学生”という肩書はとても大きなもので、私はその肩書で行かせてもらった現場がたくさんあるし、聞かせてもらえた話がたくさんあります。

カンボジア図書館建設活動のとき。同期たちと。

 例えば、大学2年だった2005年2月1日、三宅島帰島支援ボランティアの第一陣として、全島避難解除とともに島民の皆さんたちと三宅島へ行ったときのことです。三宅島の雄山の噴火によって島外避難していた方たちが島へ戻る、そのサポートをする活動でした。引っ越し業者が家の前まで届けた荷物を家の中に入れる手伝いをしてほしい、噴煙で覆われた庭の掃除をしてほしいなど、依頼はいろいろありました。第一陣でまだ依頼が少なかったということもあり、お宅に伺うと皆さん「とりあえず中へどうぞ」と招き入れてくださり、世間話をするうちに「家に戻れるようになったけど、5年間の避難生活で住んだ家やご近所との付き合いがある」「島に帰れたのは嬉しいけど、これからどうしよう」という話を聞きました。今考えると、あの頃の自分はちゃんと話を聞けていただろうか?失礼なことを言ったりしていなかっただろうか?少しでも役に立てただろうか?と不安になるのですが、数少ない第一陣のボランティアとしてあの場に行けたのは“IVUSAの学生”だったからだし、島の方たちが私にいろいろな話をしてくださったのは“何者でもない学生”だったからなのだろうと思います。

【学生のみなさんへ】

インドにて。リーダー・サブリーダーの先輩方と。

 どんな人が読んでくれているのか分からないけど、あの頃の自分がいたらかけたい言葉を、誰か1人の心にでも届けばいいなと思って書きますね。

 人と会うこと。会いたい人にあうこと。聞きたい人の話を聞くこと。

 興味のあることには足踏みしないこと。

 うまくいかないと思ったら立ち止まって、一旦、離れてみること。

 周りと比べず焦らず。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 タイでの生活をInstagram <URL: https://www.instagram.com/sokakat/>に投稿していますので、もし興味があればぜひ覗いてみてください。


 
 
 

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